Bland：山内 / Yamauchi
Item：シャツ / Shirts
Material：綿50% | 麻50% / Cotton50% | Linen50% | 近江 / Ohmi Shiga
Lining：綿55% | キュプラ45% / Cotton55% | Cupro45%
Staining：奈良県の本藍染め / Nara Genuine indigo dyeing
Processing：塩縮加工 / Salt Shrinkage | 山梨 / Yamanashi
Button：黒蝶貝 / Black Lip Pearl Oyster
Sewing：水出千代子 / CHIYOKO MIZUIDE
洗濯 : 自宅手洗い(ネットに入れて洗濯機でも可) / ドライクリーニング


Size ３　着丈:74.5cm/肩幅:45.9cm/胸囲:116cm/袖丈:62.3cm



山内定番の塩縮加工シャツに泥染めに続き、本藍染が登場しました。
全てが日本製のスペシャルな1着です。
デザインだけではない、拘り抜かれたパターン、縫製が安心感のある着心地。
本藍染と塩縮加工により生地の強度が格段に上がってますので、
良いシャツを長く愛用したい方にお勧めしたいシャツです。
最初は張りがありますが、着用を繰り返しているうちに柔からかくなってきますので、
色の経年変化と共にお愉しみ下さい。




【生地】
手を当てると透けて見える程の薄手の近江産のコットンリネン生地に強塩縮加工を施して、極限に目を詰め厚みを出した生地を表地に使用しています。
全て手作業で行う高濃度の塩縮加工は、ランダムなシワが特徴的で、
加工により縦横約３０％も縮まり、本来シャツに必要な生地分量の約２.５倍を１着に使用しています。
塩縮加工は元々、和服（着物など）に使用されていた技術で、このシャツもどこか和の雰囲気を感じます。

吹き付けの塩縮とは違い、着分ずつ職人が手作業で濃度を調整しながら加工しているので、
洗濯を繰り返しても長く加工が残っているように思います。

生地は柔らかくなり、さらに着心地が良くなっていきます。


【染め】
奈良県の職人による本藍染め。
人類の最古の染めと言われる染色方法で日本でも古くから親しまれています。
今回の本藍染は、畑で蓼藍(タデアイ)を育て、藍建て、藍染までお一人でこなす奈良県の職人さんにお願いされています。
藍染は元来濃く染めていくと赤みがかった紫色になることが多くありますが、今回は山内さんが追い求めた⻘みの強い藍色。
今回依頼された職人さんは山内さんと同じく、深みのある⻘い藍染を目指している方であったため、とてもイメージの共有がしやすかったそうです。
⻘みの強い藍色を作るために、本来1週間ほどかける藍建てを、2週間ほど低温でじっくりと時間をかけて藍建て行います。
また時間をかけ、何度も染め重ねることで赤みを抑え、天然染めならではの色落ちを極力抑えています。
山内の23awで目指した藍色は、男服に似合う「⻘みの強い、限界濃度の藍色」です。

さらに抜染を施し、山内流の迷彩の様な他には無い迫力のある仕上がりになっています。
柄の様に見えますが、派手過ぎず扱いやすいと思います。

【裏地】
初見の方は誰もが驚く、全パーツに使われたコットンキュプラの裏地。
各パーツに先に裏地を付けてから縫い合わせているそうで、手間ですが肌触りが良くなるようです。
滑りが良く着心地が良いのはもちろん、塩縮加工のシワによる生地に動きが出た時のサポート役にもなっています。


【縫製】
山内のシャツの特徴であるステッチ。
通常５０番手のステッチ糸は３cm間で運針１２〜１５針ですが、
山内のシャツは２１針が基本。
針目が多い程ミシンスピードが上がり、糸始末など全てに時間がかかり作業効率が落ちますが、
仕上がりの美しさには圧倒的な差が生まれます。
そしてステッチを表から見えないように縫製していてより美しい仕上がりに。
裏側の始末も素晴らしく綺麗です。


【袖のパターン/ボタン】
通常のシャツは1枚袖が多いですが、山内のシャツは2枚袖。
アウターに使われるようなパターンです。
人の腕は横から見ると真っ直ぐではなく少し曲がっています。
2枚袖にする事で、腕に沿って美しいシルエットにできますし、動いた時もストレスなく心地よいです。
裏地といい、袖のパターンといい、細部まで気を配られたアウターのような仕立てになっています。
ボタンは最高級の本黒蝶貝の3mm厚を贅沢に使用しています。
通常は厚くても2mmくらいだと思いますが、3mm厚は留めた時も感動を覚えます。